葵祭煎茶献茶祭

糺(ただす)の森を歩いて本殿に向かう。

清々しい風と新緑の間からキラキラとふりそそぐ木漏れ日は、初夏の香りを運んでくれます。

本殿の前では、神様に献上する一服の煎茶が、小川流可楽家元嗣によって入れられていました。

一滴一滴落される滴々のお茶は、お茶のうま味だけを凝縮し、最大限に引き出す。

一煎目は香りを。
二煎目はうま味を。
三煎目はそのお茶の個性を味わう。


お茶は湿気を嫌う。
ポツポツと降り出した雨で手前も変わる。

蒸し暑かった境内に、清涼の風が吹き抜ける五月雨の到来。

数滴のお茶のうま味が、口いっぱいに広がります。

お茶はガブガブ飲むものでも、喉の渇きを潤すものでもない。

小川流煎茶の極意です。