日本嚥下医学会総会並びに学術講演

私たちの所属する日本料理アカデミーと京滋摂食嚥下を考える会の
管理栄養士の方々で、毎月1回集まりを持ち、よりおいしそうに見えて、
よりおいしい嚥下調整食について考え、試作しております。

今回、日本嚥下医学会の総会が、京都のみやこめっせでありましたので、
そこのブースを借りて、私たちがやってきた嚥下調整食の展示を
いたしました。

今回の献立は、弥生のミニ懐石。

桃の花を生けて、お雛様をおいて、雛の料理を作りました。



献立とそのコンセプト

<献立>
 先 付 竹の子 イカ 木の芽和え
 吸 物 蛤真蒸 菜種
 八 寸 菱餅(梅、豆乳、抹茶)
      菜の花辛子和え 一寸豆
      花弁百合根 飯蛸 ふきのとう
 焚 合 若竹豆腐 小芋 南瓜 絹さや
 焼 物 本鱒木の芽焼
 蒸 物 ぐじ(甘鯛)百合根蒸し
  飯  ちらし寿司(錦糸玉子、椎茸、生姜)
 水 物 メロン いちご オレンジ ワインジュレ

<コンセプト>
今回の献立は、L3の方に食事を楽しんでいただけるよう、季節感と見た目、
味に重点をおいて作りました。まず、季節を感じていただけるように、
春の食材と色使い、器と室礼で、桃の節句を表現いたしました。味につきましては、
均一な味になることと同じ食感ばかりになることを避けるように意識しました。
味噌を絡めながら食べていただく『竹の子の木の芽和え』、菜の花のゼリーの間に
辛子和えのペーストを挟み、味の濃淡を感じていただける『菜の花辛子和え』、
『本鱒木の芽焼』は皮と身を分けてそれぞれペーストにしたものを再び固めて成形し、
木の芽のたれをさっと塗りました。また、素材そのものを使うことより、味の要素に
こだわり、蛸や椎茸は煮汁だけを使い、蛸、椎茸の風味を感じてもらえるように仕立て、
生姜の漬け汁だけで生姜を感じてもらえるようにいたしました。椎茸と生姜の風味と
酢飯のおかゆで、『ちらし寿司』を感じていただきます。水物のジュレも三種類の
果物のジュレにワインジュレをかけて、混ぜながら食べていただくことで、それぞれの
味が濃くなったり薄くなったりと、食味の違いを楽しんで食べていただけます。
見た目、味ともに楽しんでお召し上がりいただける弥生のミニ会席です。


会場では、写真を撮られたり、興味深く質問されたり、
今回の内容は、3月2日の朝日新聞、3月17日の京都新聞
掲載されました。


平八茶屋公式ホームページ http://www.heihachi.co.jp/